

2025年度
グッドデザイン賞受賞


土間テラスがつなぐ
三世代の家
共働き夫婦の比率が約7割となった現代において、育児、家事、仕事の両立は課題であるが、親世帯と同居し協力を得られれば大きなサポートとなる。また、異なる世代が日常的に交流を持つことで、子どもにとっては心の成長の助けとなり、祖父母にとっては日々の活力となるだろう。住空間を分離すると生活リズムの違う世代同士でもストレスなく暮らしやすいが、日常的な交流がとりにくいというデメリットもある。
そこで、室内からだけでなく、テラスを通じて外部からも祖父母の趣味部屋に孫が気軽に遊びに行けるようなプランとし、世帯間の交流を促進した。コの字型に挿入された外部空間は上下階をつなぐ装置としての役割も果たし、家族の気配を伝えてくれる。三世代で暮らすことの良さを感じられるような温かさのある住まいとなることを願っている。
構造:木造WP工法 階数:地上3階建 敷地面積:317.51㎡ 建築面積:135.30㎡ 延床面積:268.60㎡
一階床面積:109.93㎡ 二階床面積:112.62㎡ 三階床面積:46.05㎡
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Point 01
土間テラスが内と外を
ゆるやかに連続させ、
祖父母と親と子の三世代をつなぐ土間テラス及びバルコニーを平面上にコの字型に入れ込むことにより、外からの視線をやわらかく遮りつつ、自然な風や光を室内の奥にまで引き入れることを可能にした。縁側のような土間テラスは屋内の延長として使用でき、自然を感じながら過ごせる心地よい中間領域となっている。
和室とも隣接した縁側のような土間テラスには、家族や友人、近隣住民など様々な人が集い、豊かな暮らしを育むことができる。おばあちゃんが近所のお友達と編み物をする横で孫がお絵描きをしたり、おじいちゃんが木工細工をするのを見て孫も真似して工作をしたり、そんな光景が見られることだろう。


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Point 02
「間」をコの字型に
入れ込むことにより、
外からの視線を遮りつつ
室内に自然な風や光を引き入れる
コの字に外部空間という「間」を挿入することで、
上下階に視覚的なつながりが生まれ、離れていてもお互いの気配を感じられるようになった。
家族の気配を感じながら過ごせることは安心感につながるだろう。
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Point 03
建物の角を開放し、
更にインナーバルコニーと
連続させることで、
室内から外部へ空間を延長建物の角にバルコニーを設けることで奥行と陰影が生まれ、建物に彫りの深い表情を加えている。更にインナーバルコニーと連続させることで、室内から外部へ空間を延長させた。













