損益通算 （そんえきつうさん）

確定申告の際に、所得ごとに計算をしていくと中には損失となる所得、つまり赤字が生じることがあります。この赤字分を他の黒字となっている所得から控除することを「損益通算」と言います。
たとえば、不動産賃貸経営の年間収支がマイナスとなった場合に、不動産所得から生じた損失を他のプラスの所得から差し引くことなどがこれにあたります。これにより課税対象所得が引き下げられ節税となり、すでに給料などで源泉徴収されている場合は税金が還付されます。
損益通算はすべての所得に対して認められているわけではなく、次の４つの所得についてのみ認められています。

〇不動産所得
アパートやマンション、土地などの賃貸したことによって得られる家賃や権利金などのことを言います。賃貸経営にあたって支出した経費は、不動産収入から控除することができます。

〇事業所得
農業、漁業、製造業、医師・弁護士などのサービス業、小売業などの事業によって生じた所得のことを言います。事業のために直接支出した必要経費を控除することができます。

〇山林所得
山林を伐採もしくは立木のまま譲渡した場合に生じる所得を言います。ただし、山林を取得した時から５年以内に伐採または譲渡した場合は、事業所得もしくは雑所得として扱われます。譲渡の対価から必要経費として植林費や育成費、管理費、伐採費、搬出費などを控除することができます。

〇譲渡所得
資産を譲渡した際に発生する所得を言います。譲渡によって得た収入から取得費や譲渡費用を控除することができます。